ブライアンとの出会い

ブライアン

受付からの電話で、シンガポールエアラインの人がスーツケースを

届けに来てくれてるのですぐに降りて来てとのこと。受付の前にはガッチリとした

明るく爽やかな笑顔の男性がいた。

「アッ~、ようやく自分の荷物が届いた!」「Thank you very much」と言うと

彼は微笑んで「You are welcome!」と言って消えて行った。

ふと向こう側を見ると若いハンサムな青年が椅子に座っていて、さっきからこちらをじっと見ている気配がしていた。

私は受付の人にお礼を言うと、スーツケースを持ってそのまま自分の部屋へ戻った。

「やれやれ」洋服をハンガーに掛けたり、洗面道具を整理したり時間を過ごした後、受付へ行くと

身体の大きな若い白人女性が「Hi」と話かけて来た。彼女も一人旅をしているとのこと、

まだ20才だった。身体が大きいせいかとても年齢には見えなかった。多分、私と同じ20代真ん中位に見えた。人の良さそうな穏やかそうな人で彼女は「ダイアン」と言った。

折りからクリスマスシーズンで、滞在者達で24日には、テレビのある大きな部屋でパーティーを開くと言う。「一緒に出ましょう」とダイアンは誘ってきた。

この日、初めてボール紙パックに入ったワインを見た。ワインってボトル以外でもあるんだ。オージーはお酒を沢山飲む人が多くみんな良く飲んでいた。どんちゃん騒ぎのパーティーではなく、静かな落ち着いたものだった。

24日から25日にかけてカウントダウンが始まった。みな「Happy New Year!」と抱き合っている。ダイアンの向こう側に座っているハンサムな彼はダイアンを押しのけて私にキスをしてきたのだ。

「Happy New Year!」と。キスが長かったためかダイアンは間に入って笑っていた。

このハンサムな青年こそ、受付の前の椅子に座っていたブライアンだったのだ。

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