「結婚します!」と伝えたら

国際結婚
36歳の頃の私

結婚前は、貿易業務の仕事で週3回位は意匠認証の申請に出かけていた。そこの窓口のAさん、Bさんとは結構顔馴染みになっていた。世間話を軽くする程度だった。

当時私は21才。Aさんは、私より5才位年上だったと思う。なかなか好印象の男性で、もう一人のBさんは中年の既婚者で大柄なしっかり者の印象の人だった。

ある日、窓口で言われた。「よしこさんは僕の理想の女性です。」と、Aさんは私に何回も言うのだ。

私はよしこという名前ではないのだが、私が女優のOOよしこに似ている彼は言っていて、「よしこさん」と彼は日頃から勝手に私をそう呼んでいた。よしこさんと言うと古い昔だが、林家三平の「よしこさん」を思い出す。

その日、結婚式の日取りも決まり、ここの窓口のAさん、Bさんに報告した。

「私、結婚するんです。でも、しばらくは仕事はパートで続けるつもりです」と。

それを聞いたAさんはかなりのショックだったらしい。

どうも次の日からお休みしてしまったとのこと。

数日後、Bさんに言われた。「Aさんは、貴方が結婚すると聞いてショックだったんだな。会社を休んでいるんですよ。有給を取ったんだよ」と。そして、その後はなぜか窓口へ行ってもBさんのみが対応してAさんは決して窓口に来ず、奥に座っていた。私の顔を見ると、顔を背けてしまうのだ。

それから暫くして、また、以前のようにAさんは窓口に来た。そして言われたのだ。

「貴方は僕が好きだったことを知っていたはずだ」と。「何故他の人と結婚しちゃったんですか」と。

「うん」と私はうなずいた。でも、「待って!貴方は私にお茶や食事を誘ったこともなかったじゃない?」と、口に出すことはできなかったけれど、私の心の中では、一方的に責められて何かもやもやとしたものが残った。昔、あるおじいさんがこんなことを言っていた。「男は先に手を出した者勝ち」って。そんなものなのかな。

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