乳がんになった人達 No.3

いつものように女子のトイレへ行くと大きな鏡の前にKさんがいた。彼女は静かな人でニコリと会釈をする程度だ。彼女のヘアースタイルを見て、もしかしたら彼女のヘアーは人工的なものなのかなと直感で感じた。若い頃、化粧部員をした経験のある私は、感覚的に自然、不自然を見抜く力があるのかもしれない。多分、他の人にはわからないかもしれないくらい自然なヘアースタイルではあった。

でも、私の中では、「もしや乳がん？」と感じたのだ。でも、言葉に出すことはしなかった。世の中には、自分の病気をあっけらかんとしゃべる人もいるけれど、隠そうとして決してしゃべらない人もいるはずだからだ。

ある時、彼女と話をした。彼女は私が乳がんで長期に休んでいることを知っていた。その時、何かのきっかけで乳がんの話が出たと思う。彼女は言った。「私は徹底して乳がんに悪いことはしない生活をしてるの！」と言うのだ。例えば、女性ホルモン関係のコラーゲンなど、飲むこともしないし、つけることもしないと。

へェ～、偉いな！私は自分に甘い人間だから、どうしても甘い物を食べたり、乳製品を食べたりしてしまう。彼女からみたら私は「ぐでんぐでん」な人間かもしれない。

彼女の芯の強さというか、なんというか、彼女が病気でお休みをしたというような噂はまだ聞いていない。しっかりと健康管理をしてお元気なんだろう。