乳がん手術20日目

手術後20日目の記録/2022.5.26記

(この後5.31に1期との臨床結果が出た)

遡ることになるが、右乳がんの全摘術を受けて、ちょうど20日目の記録だ。手術後も退院後もあまり変わらない状態だ。ガンは、右乳房の外側、真ん中あたりにあった。そのため外側に左から右へ長い一線の切り口となっている。特に外側を深く切ったようだ。

最初の乳がんの手術から10年後以降の年1回の乳腺科への定期診察をコロナ禍で避けてきた。そんな中、久しぶりに乳腺科へ行くと、マンモグラフィーを撮るように言われた。これには全く影も何も映っていなかった。医師からは「また、1年後に来て下さい」と言われたのだ。

その数日後、前から予約していた地域の定期検診と乳房の超音波検査を受けた。そして、この日の夜、知らない番号から電話がかかってきたのだ。「今日の検診で乳がんの結果が疑わしい」と言うのだ。翌朝すぐに飛んで行きCDと紹介状を頂いた。

まず、先の乳腺科へ予約を取った。「1年後にまた来い」と言った担当医師はどんな顔をするのだろう。そして、再度超音波検査を受けた。ただのヌルヌルの検査だけでなく、重石の様なものを置かれた。石ではないのだろうけれどこれで、血管が集まっている状態がわかるようだった。結果はやはり疑わしいものだった。血管が同じ方向へ集まっているのだ。ガンは「新生血管」を作ると言う言葉を思い出した。そして、生体検査をすることになった。

1月12日生体検査時には、「乳腺内に約2㎝の黒い影があります。しこりはありません。I 先生は何で生体検査依頼したのかな、まあ、疑いがあるということなんだろうね、念のためだよね」とこの医師は呟いた。と、いうことは良性かい? この医師は「前にお会いしていますよね」と私に問いかけた。マスクでわからなかったが、以前お世話になった医師だった。懐かしさに話しが弾んだ。この生体検査は普通の針よりも太くパチンとほじくられるようなものだ。2cmほどの影の大きさのためか、両端と真ん中と計3回パチンとやられた。すごい!なんと3回もだ。生検検査のチラシにはバキュームで吸い出す方法もあるようだった。もしこれでがん細胞を吸い取ってもらえるなら最高!

「先生!バキュームでガン細胞を吸い込むことできませんか~」と尋ねると「いや、できないよ。」とのことだった。将来こんなふうにガンを吸い取ってもらえたら簡単で最高だと思う。ちなみに大腸ポリープをいくつも切ったら、そのひとつがガンになっていた!など、よく耳にする話だ。簡単にチョキンと切ってもらえるイメージだが、乳がんもそうなってくれないかな~

1月28日、0期の非浸潤ガンと告げられた。大人しいタイプのガンだと言うのだ。手術は5月6日と言われた。はあ~、そんな遅いの?なんだかんだと手術まで約5か月かかっている。(この検査後、手術前のMRIとCTで、この黒い影は2.5㎝に大きく進んでいたので正直、焦った。)

非浸潤ガンですからと何回も言われながら、これはガンなんでしょう?ゴールデンウイーク後まで待つのはとても長く、辛かった。「先生、もっと早くできませんか」とお願いし、キャンセルが出たら、早く順番をまわしてくれるという書類にサインをして、心待ちにしていたが、結局変更されることはなかった。だったら思わせぶりをするな!と思った。

「手術まで随分長いよね、高濃度ビタミンCを打ったら?」息子がURLを送って来た。そして、色々調べてあるクリニックを選んだのだ。初めて打った日はなぜかぐっすり眠れた。その後、量が段々増えてきた。この担当女性医師は聡明そうな印象を受けた。「ビタミンCがガンには良いのですよ。」との説明を受けた。ビタミンCの本も頂いた。そして、「随分、手術まで長いわね。他の病院を紹介しましょうか。ガンは早い方が良いですから」と言われたのだ。即答はできなかったがやっぱり行ってみようかなとなり、ある大学病院の乳腺科に紹介状を書いてもらった。

この病院も有名な大学病院で随分混んでいた。結局、紹介状の宛名の医師には診てもらえず、アシスタントの様な若い女性医師と面接した。「先の病院から全部の資料をもらってきて頂けますか。その後予約を取ってそこからスタートとなります」と言われたのだ。計算するとやはり5月6日頃の手術日になってしまうらしい。それならば、過去のデータがある今までの病院で良いや!と思った。この医師に「右の腋のリンパが腫れている感じがするのですが。」と言うと、「非浸潤ガンでリンパが腫れているとは考えられない」と一蹴されてしまったのだ。そんなことないぞ!人によるんだ!と私は思った。

手術後の切り口の外側下3~5cmには、術後のリンパ液を通すチューブが付けられていた。この辺りはゆっくり触れてみるとひりひり感がある。右腕の根元の内側と腋の下の真ん中、そして腕の下15㎝位が触れると痛むのだ。

私はマッサージが好きでよく整骨院に通っている。マッサージの先生にリンパの腫れているところをやさしくマッサージしてもらうと痛みが軽くなる。あとは、温かいお風呂に入ってやさしく自分でもマッサージをしている。そして湿布薬で貼ったりした。

気になるのは、背中に鈍痛があることだ。首を右側に回そうとすると、まるで寝違えて首を痛めている時のように痛みが走る。何も動かさないと痛みはないのだけれど、腕を上げたり下げたりすると傷口の痛みのようなものを感じるのだ。これはちょっと股ずれのようなフィーリングのもので腕の皮膚と右胸の皮膚が触れ合うことの痛みのような感じなのだ。

リンパ液が少し溜まっているのかもしれない。前回15年前の時の温存手術後はリンパ液がすご~く溜まっていた。女性医師は、溜まっている部位に注射をし、リンパ液を抜いてくれたのだ。「ウワッ~、凄いわね!見かけはそう見えないけど、随分出るね!」ジュージューと見事にお乳の様に飛び出たのだ。この液を絞り出すと、大分胸の痛みがすっきりとした。

手術後困ったことになった。手術の時の酸素マスクによる気管支炎が始まり、咳がどんどん強くなった。私は気管支がもともと弱いのだ。幸い漢方薬「小青竜湯」を持って入院した。持って行った薬はすべて看護師さんに管理されていたので自分勝手に服用ができなかったのが少し窮屈だった。正直者は馬鹿をみる、ではないけれど、漢方は隠して持っておけば良かった。

手術は大昔、ハルステッド手術と言って乳房全体と、その下の大小胸筋さらに腋窩のリンパ節を根こそぎ取る手術があったと言われる。子供の頃、自分の家にお風呂がない家庭が一般的だった時代、みな近くの銭湯へ行ったものだ。この手術を受けたらしい近所の奥さんの胸の手術の痕はとても大きいもので子供心に、凄いな~、痛々しいそうで可哀想だな~と感じたものだった。この方の手術は、上から下へ縦に切られていて、手術は今の手術と異なり中にのめり込むようなとても大きな手術後の痕だった。

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