生と死

もうすぐ17歳の誕生月の夜。

私は11メートル飛ばされる大きな交通事故に遭遇した。🚘12メートル程の幅の大通りでのこと。この通りと交差するもう一つの大通りには信号があるのだが、そこから少しはずれたこの通りには当時、横断歩道はあったが信号はなかった。なぜ無かったのだろう。それは、すぐそこに信号のある大きな交差点があるから、そこに近い横断歩道に信号があると車が渋滞してしまうからなのではないかなと考えたりした。車を運転する人にとっては、信号、また信号になってしまい、なかなか前に進めないのかもしれない。今では、信号がある。🚥この横断歩道は私が事故に遭ったあとも次々と人身事故が続いたらしい。しかし、この信号は大きな交差点の信号の長さと異なり、すぐに信号の色が変わる短い時間の信号なのだ。

その時、横断歩道には、一人の女性が立っていた。私は彼女の右側に並んだのだ。そして、右側から来る自動車が止まってくれた。私は軽く頭を下げた。止まってくれたから前に進むべきだと思ったのだろうか。戸惑いながらも左からの車も止まってくれたのだ。やはり、私は進むべきと思ったのか。左の車にも会釈をし前に進んだ。ところがその車の外側から車が突っ走ってきたのだ。私はこの車に跳ね飛ばされた。後に警察官からの報告で、11メートル飛ばされたと聞いた。えっ!11メートルも飛ばされたのですか?急ブレーキをかけた車のボンネットに乗っかり、止まった時、反動で地面に叩かれたようだ。

車にぶつかった時の記憶は全くない。☁この警察官の説明で、横断歩道は歩行者が優先で、横断歩道に人が立っていたら、自動車は止まらなければならない規則があり、この運転手はいくつかの違反をしていると説明を受けた。相手の運転手は当時19歳の青年で、仕事帰りに友人達2人と遊びに行く途中だったそうだ。中小の自動車整備会社に勤めていたらしい彼は会社の車を借りて私用で使っていたとのことだ。この時、あの女性は横断歩道で進まなかったのだろうか。私はこの時の自分の性格の曖昧さを悔やんだのだった。

私はほぼ意識不明であったが、かすかな記憶が残っている。近くのビルの守衛さんがドスンという音を聞いて駆けつけて来て下さったらしく、名前は?住所は?と何回か尋ねられ、それに答えたことを薄っすらと覚えているのだ。自分は大変な事故に遭ったらしい、このまま身を委ねようと思ったのかそのまま意識は無くなった。救急車で救急病院🏥へ運ばれたらしい。

私は目が覚めるとこの病院の手術室の中だったように覚えている。🏥看護婦さんが、私の目をコットンで拭き目を覚まさせたのかもしれなかった。頭の中がぐるぐる回り嘔吐が襲ってきた。私は交通事故に遭ったのだとその時知った。交通事故なんて信じられない。この私が何でここにいるの?不思議だった。このぐるぐる感はとても苦しかった。恰幅の良い医師が看護婦さんに私の頭を少し上げるよう指示を出したようだったが、これでまたまた苦しくなった。ぐるぐる回る頭に目を開けてられず、またも嘔吐が始まり、すぐに、この状態を見た医師が上げないよう指示をしたのを覚えている。その後、X線で撮影をしたようだった。

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