乳がんの再発

今日から、テラコの〈乳がん日記〉ブログでお届けします。

まず、2022年5月6日、乳がん右側全摘手術を受けた。う~ん!強がり言っても、実は悲しかった。長年、親しんだ私の右乳房が全部無くなったわけですから。大き過ぎでもなく小さくもなく少し垂れてはいるがこの乳房が私は好きだった。

15年前、左側乳がんで温存手術を受けた。その時のセンチネル検査では、陰性。リンパ節は取らなかった。この頃はまだセンチネル検査は保険適用外だったのだ。いわゆる先進医療だった。前回は、手術室に横たわった後にこの検査をしたのだが。今回は手術室に行く前にセンチネル検査専門の部屋で注射をした。この検査には青いイメージがある。なぜだか青い薬のイメージが残っているのだ。乳房の乳首から外側の辺りに1回注射を打つと、チクッと痛みが走った。結構、痛い。その痛みを看護師さんが柔らかく揉みほぐしてくれた。

当日の手術の1番目が私だった。朝、9時からスタートだ。朝7時に朝食を取り、白い医療用ハイソックスを履く。これは血流を良くするためのもので、前回の手術の時履いたのと同じだった。ふくらはぎから足の先まであり、5本指が見えるようにカットされている。この病院は大学病院のため、まだ学生さんのような風貌の若い医師達が5人ほど入室した。そこの手術台のベッドに横たわると、口には酸素マスクをされ、麻酔が打たれた。前回は、数を数えたはずだった。1、2、3と。今回はそれはなく、あっという間に眠りについた。そして、目が覚めたのはお昼前だった。これはほぼ前回と同じ時間帯だった。この15年間、乳がんの治療も少しは変わってきたと思う。

2007年秋、温泉でのこと。ヌードになって鏡の前に立つと、薄暗いオレンジ色の光がどんより影を作っていた。両腕を上げると左乳房下にくぼみがあるのだ。えくぼみたいなくぼみだ。ちょうど薄暗い光がくぼみに影を落とすようだった。触れてみると柔らかいしこりがある。一緒に行っていた友人にそれを話すと、「貴方、それ、病院へすぐに行きなさい!」と彼女は何回もきつく言った。彼女の職場の同僚のIさんが最近乳がんで亡くなったばかりだというのである。でも、ガンは硬いしこりでしょう?私のは硬くないのよ。柔らかいの〜。それに、なかなか仕事が忙しくてと、自分にいいわけをしながら病院へはすぐには行かなかった。1~2か月後、とうとう行くことになった。毎日触るとしこりがそこにあるのだから。

国立の病院だった。受付をすると奥の方に外科、乳腺科があった。椅子に座って待っているとようやく私の名前が呼ばれ、診察室のベッドに横たわり、乳超音波(エコー)を受けた。医師はHドクターです。ヌルヌルした液をたらし、スルスルと乳房の上を滑ります。

Hドクターは画像を見ながらこう言った。「僕は、これはガンだと思うな。」と。良性の腫瘍だと、形が○いんですよ。これは、ほら、歪んだ形をしているでしょう。見ると形は丸くなく、楕円形で歪んだ形をしていた。エッ〜、まさか乳がん? 「今日、これから、マンモグラフィーを受けていって下さい。明後日、また来れますか。」「はい」と返事をしたものの、頭の中は、ガガガ~ンとショックでいっぱいになった。地下の検査室でマンモグラフィーを撮ったが、相変わらず、乳房をギューギュー押されてヒーヒー痛むのを我慢しなくてはならなかった。トボトボと歩きながら家路に着いたが、その間、頭の中は乳ガンで一色になった。

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